明日を見通せない時代だから・・・

鉄道・スポーツ観戦・読書・音楽鑑賞をこよなく愛する、永遠の17歳

2013年6月の読書メーターまとめ

2013年6月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:659ページ
ナイス数:7144ナイス(感想・レビューは148ナイス)

アフターダーク (講談社文庫)アフターダーク (講談社文庫)感想
「純粋な視点としての私たち」という、まるで固定された監視カメラが各登場人物を捉えるように描く、非常に変わった手法の小説。深夜の渋谷を舞台に、マリ・高橋・カオル・白川が微妙な接点を重ねながら、ダイナミックな展開やハラハラドキドキのスリル感とは全く無縁な世界観で、淡々と物語が進む。「裁判という制度そのものが・・・ひとつの特殊な、異様な生き物として映る」(142頁)という高橋の刑事司法に対する考察が非常に印象的。捉え所の難しい世界観、物語の奥に隠された真意に迫るためにも、時間をおいて再読したい。
読了日:6月25日 著者:村上 春樹


神去なあなあ日常 (徳間文庫)神去なあなあ日常 (徳間文庫)感想
旧・美杉村(現・三重県津市美杉町)をモデルに、横浜からやってきた勇気(高卒1年目・男子)が林業と神去村での生活に挑戦・適応していく姿を、彼の視点から描くハートフルストーリー。神去山を中心とした自然環境や生態系への畏敬の念・「なあなあ」な村民共同体の精神性・四季折々の情景描写・都市生活者とのギャップを、林業の作業工程と絡めることで、山仕事は生き方そのもの(116頁)という村民の等身大の姿を感じられる。村民の真っ直ぐな生き様、決して望んで来たわけでないのに素直に成長を遂げる勇気の姿に、ストレートに感動した。
読了日:6月8日 著者:三浦しをん

読書メーター

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