明日を見通せない時代だから・・・

鉄道・スポーツ観戦・読書・音楽鑑賞をこよなく愛する、永遠の17歳

すばらしい環境の中で

 コンフェデ杯決勝を前に、なでしこジャパンの親善試合(対ドイツ戦)を楽しんだ。水泳・テニス・ゴルフなど他競技と比べて、競技レベル・競技普及度・市場規模の面で、サッカーの男女差は非常に大きい。だけど、日本・ドイツなど世界トップレベルの女子サッカーは十分に面白い。

 親善試合とはいえ、ドイツ女子代表にとって、ヨーロッパ選手権直前の重要な1戦。なでしこジャパンにとっても、チームを成熟させる上でまたとない機会。両者が公式戦さながらに本気でぶつかり合う、好試合だった。

 アリアンツアレーナ*1で、4万6104人の大観衆という、非常にすばらしい環境の中で行われた。世界最高峰のスタジアムの1つで行われる、女子の親善試合はなかなかない。

 

 残念ながら、試合結果は4-2でドイツ代表に敗れたが、現状の力関係を考えれば、いい試合を見せてくれたと思う。後半40分過ぎて、立て続けに2点を取られたのはもったいなかったが、それまでは良かった。

 前半、宮間を起点に、大儀見が絡んで、大野のゴール。後半、宮間のFKがゴールポストにはじかれて、大儀見が詰めてゴール。流れの中の得点、セットプレー絡みの得点ともに取れた。直前に行われたイングランドとの親善試合で見せた、川澄のゴールと合わせて、澤不在でも得点を取る形が確立されてきた。もっと判断を速くし、ワンタッチでパスを回せる形をより多くし、アタッキングサードでのパスの精度を上げ、ゴール前に飛び出す2人目・3人目の動きに厚みをもたせれば、完成度が高まるはず。今後に期待したい。

 これに対して、大きな課題は守備面だろう。ボール奪取の形、CBのラインコントロール、フィジカルの強い選手への対処など、随所に課題が見られた。加えて、後半20分以降、スタミナ切れか、自陣内でのパスミスが目立った。不用意なボール奪取から、ショートカウンターに持ち込まれる不安定な場面が何度も見られたのも残念だった。

 次のW杯・五輪を見据えれば、いつまでも澤に依存したチーム作りはできない。宮間・川澄・大儀見・岩清水・阪口を中心としつつ、若手の台頭・奮起を促していくしかない。これからの新生なでしこジャパンに期待したい!

 

 最後に、ドイツの選手のプレーにも言及したい。2得点を決めたFWダムバビの身体能力・フィジカルの強さは際立っていた。また、先制点となった、右SBマイアーのサイドから切り込んでのミドルシュートは素晴らしかった。特に、スタジアム・ポジション・右サイドから切れ込んでの先制点という状況が同じだったせいか、マイアーのミドルシュートは2006年W杯開幕戦のラーム*2ミドルシュートを見ているようだった。

 世界は着実に進歩している。なでしこジャパンもさらなる進化を見せてほしい。

*1:バイエルンミュンヘンの本拠地。2006年ドイツW杯の開幕戦、ドイツ対コスタリカが行われた。

*2:現在、ドイツ男子代表、バイエルンミュンヘンで、ともに主将として活躍中。現在のマイヤーと同じく、当時のラームは若手有望株だった。

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