山の麓で静かに見るのも
山科疎水から北へ約10分。山に迫り立つように立てられた、毘沙門堂。
住宅が混在する参詣道にも、桜が美しく彩りを添える。
毘沙門堂は8世紀に現在の京都御所近くで創建され、平治の乱や応仁の乱といった戦火に巻き込まれる度に京都各所を転々とした後、江戸時代に現在の地・山科で再建されたようだ。
境内にはソメイヨシノのほか、樹齢100年以上の見事なシダレザクラがある。見てる側に大きく投げ出すようにして咲く、シダレザクラ。手狭な境内で、圧倒的な存在感を放つ。
小雨がパラつき、水滴をつける花びら。『水も滴る(したたる)いい女』なんて表現もあるけど、こんな美しさから想起された表現なのだろうか。
あらためてシダレザクラの全景を。三方を山に囲まれた山科で、最北に位置するお寺だ。
山の中にひっそりと佇む名刹で、静かなシダレザクラの観賞。オススメです。