明日を見通せない時代だから・・・

鉄道・スポーツ観戦・読書・音楽鑑賞をこよなく愛する、永遠の17歳

結果は同じでも、意味合いが違う

 グループC・グループDの注目の一戦はともにドロー。同じ1-1のスコアながら、見所の点で対照的だった。特に、イングランドのサッカーはあまりにもつまらなかった。

 

 スペイン vs イタリア。イタリアは伝統の4バックでなく3バックで臨むも、両サイドを下げて5バックにするなど、かなり柔軟に対応していた。ピルロユベントス)が昔のサッカーでいうセンターハーフのような位置で、攻守にわたって中核となり、中盤の攻防を本当に面白くさせた。

 イタリアの組織的な守備、決してガチガチに守るだけでなく果敢に攻撃を仕掛けるスタイルに、スペインは戸惑ったように見えた。イニエスタバルセロナ)・シャビ(同)・セスク(同)・ダビドシルバ(マンチェスター・シティ)たちによる、美しいパス交換は健在だったが、本来のパスワークを所々で分断されたことはスペインにとって誤算だったのではないか。フェルナンド・トーレス(チェルシー)が2度ビッグチャンスを潰したということもあるが、それ以上にイタリアがうまくドローに持ち込んだ印象を残した。イタリアの戦い方は最強スペインに勝つヒントかもしれない。

 スペインの守備陣が若干気になった。プジョルバルセロナ)の不在でセンターバックに入ったセルヒオ・ラモス(レアル・マドリード)の出来がよくなかった。イタリア攻撃陣に振り切られるシーンも目についた。決勝ラウンドも視野に入れると、若干不安な気がする。

 

 フランス vs イングランド。イングランドは駒不足。ランパード(チェルシー)やルーニー(マンチェスターU)の不在が響いたとはいえ、結局それに替わる選手がいないことを露呈した。チェンバレン(アーセナル)やウェルベックマンチェスターU)など、将来有望な選手はいても、代表のスタメンとしては役者不足だ。

 DFとMFがそれぞれ4人ずつ並んで守備をするので一杯一杯。フランス陣内で3本以上パスを繋げたのは数回程度しかなかった。ポゼッションをしながら相手を崩す攻撃は全くできず、セットプレーとカウンター以外で得点できる見込みは皆無。現状では、フランスレベルのチームに勝てないだろう。ベッカム・ジェラード・ランパード・Jコールの黄金の中盤と言われた時代から、イングランドは先発組と控え組の差が大きすぎる。

 一方のフランスはあれだけ両サイドバックを高い位置でプレーさせながら、最後まで崩しきれなかった。スペインのように、ガチガチに守る相手を、パス交換で崩しながら突破していくという攻撃ができれば違ったのかも。初戦の緊張感も、大きく影響したのかもしれない。

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