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2013年1月の読書メーターまとめ

2013年1月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1112ページ
ナイス数:4111ナイス

植物図鑑 (幻冬舎文庫)植物図鑑 (幻冬舎文庫)感想
さやかの住むアパートの前で行き倒れてた、樹(いつき)。彼の「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」の一言から始まる、心温まる恋愛小説。野草の植生・調理法、日常のみずみずしい空気感を、さやかの視点から描く。単なる雑草として見過ごされがちな野草を華麗に調理する、樹の腕前に感服。なかなかお互いの気持ちを確かめ合えないこともあって、単なる甘甘物語に終始させず、さやかの真っ直ぐな心情を切なくも温かくも描く、有川マジックに敬服。いつか、さやかがフキノトウの天ぷらを楽しめるようになってほしいな(笑)!最高の1冊!
読了日:1月15日 著者:有川 浩


夜明けの街で (角川文庫)夜明けの街で (角川文庫)感想
渡部と秋葉、仲西氏の不倫を重層的に重なり合わせがら、本条麗子殺人事件の核心に切り込んでいく。不倫と浮気の定義を各人次第と説く箇所(54頁)はなるほど(笑)。秋葉も有美子も、やっぱり女は強い!秋葉が渡部に本条麗子の死を初めて語った箇所(112頁)で、オチを想像できたのが残念だった。この小説が書かれた時点で殺人罪の公訴時効は15年だったが、公訴時効への疑問を呈する世論の高まりを受けて、2010年刑事訴訟法改正で殺人罪の公訴時効は撤廃された(同法250条1項柱書)。現在ではこの小説のストーリーは成立しない。
読了日:1月10日 著者:東野 圭吾


天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫)天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫)感想
天使の卵』から10年後、29歳になった夏姫と21歳の慎一の恋愛物語。8歳という年齢差、年下の男の子を主人公に据える描写手法、大切な人との今生の別れを後悔で迎えてしまう状況など、多くの部分で『天使の卵』と相似する。慎一の歩太に対する嫉妬心・夏姫への独占欲、様々な場面で差し込んでくる光など、随所に見られた丁寧な心情・情景描写に今回も惹きつけられた。ただ、作者自身も10年を経たせいか、『天使の卵』ほどには美しい瑞々しさを感じられなかったかな。感動作の続編を描くことの難しさを考えさせられた。
読了日:1月6日 著者:村山 由佳

読書メーター

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