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気になるあれこれ 2012/10/14

 10月14日(日)日本経済新聞朝刊(社会1)、森口尚史氏に関する過去の日経記事の検証を、現在日本経済新聞本社が進めている、との記事。

 数日前から、iPS細胞の臨床研究に成功したと主張する森口氏に対して、論文盗用疑惑や手術例捏造疑惑が報じられている。森口氏が医師免許を保有してないこと、東京医科歯科大を卒業したこと、東京医科歯科大・東大などで研究をしてきたこと、は事実のようだ。

 よく分からないのは、なぜ医師免許を有さない研究者が臨床研究の論文を執筆できるのか。 単なる補佐役としてではなく、自らの業績として医学界に公表できるのか。森口氏に関する一連の報道で、こういった観点からの報道はここまで見受けられない。

 

 日本経済新聞はこれまで森口氏の研究内容を12件報道した、とする。仮に、12件の報道内容に手術例自体が捏造だったとする研究内容が含まれれば、日本経済新聞社はマスコミとしての報道姿勢自体を猛省すべきではないか。

 手術には執刀する病院が必要で、医師免許を有してない者が手術を統括する立場にはなり得ないことは誰でも分かる。手術例の裏付け取材をする過程で、手術の統括者や病院関係者を直接取材することは必須なはずだ。取材自体が杜撰だったのではないか。

 

 日刊新聞紙法(正式名称は「日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律」)のおかげで、大手新聞各社は大手新聞社外のアウトサイダーによる競争にさらされない。一般的に指摘されることだが、杜撰な取材を元にした記事が掲載されてしまう背景には、正常な競争原理が働いてないことがある。企業コンプライアンス徹底や既得権益打破を声高に叫ぶ記事を掲載する前に、自らを徹底検証する記事を掲載すべきでは。

 「呆れてモノが言えない」という記事を見て、思わずチクリと指摘したくなった。

 

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