明日を見通せない時代だから・・・

鉄道・スポーツ観戦・読書・音楽鑑賞をこよなく愛する、永遠の17歳

2012年7月読書メーターまとめ

7月の読書メーター

読んだ本の数:19冊
読んだページ数:5223ページ
ナイス数:316ナイス

宵山万華鏡 (集英社文庫)宵山万華鏡 (集英社文庫)
宵山(7月16日)の夜に起きる、ファンタジー小説。半径400mの範囲内で各登場人物に起きる事件を複層的に構成することで、宵山の華麗さ・妖艶さ・熱気・神秘的・幻想的な世界を紡ぎ出す。万華鏡の中で張り合わされた鏡面が作り出す複雑な世界のように。劇的な展開はないけど、宵山の情景描写とファンタジー感が不思議なほどにマッチする。小説に描かれている地点を実際に歩かれると、7月の京都の空気感をより一層楽しめます。
読了日:07月29日 著者:森見 登美彦


発見! 角川文庫 祭 2012
他の2冊に遅れて、入手。カラー刷りなのもあって、読んでるだけで楽しい。東野作品など、いっぱい読みたい作品あり!
読了日:07月28日 著者:角川文庫


夜行観覧車夜行観覧車
『告白』『少女』と異なり、特定人視点の独白形式ではなく、家庭単位で物語が進行する。向かい合う家に住む、好対照な高橋家と遠藤家。高橋家で起きた家庭内殺人事件を通じて、理想の家庭と評判の高橋家に潜在する歪み、家庭崩壊の危機に直面する遠藤家が修復の契機を見つける過程を描く。各登場人物の細かな心理描写とダイナミックな展開で、ページをめくる読者の手を止めさせない。観覧車から地上を見下ろせば、地上における山側・海側の区別意識など無意味だ、ということ。家族であり続けることの意義を問いかける1冊。
読了日:07月27日 著者:湊 かなえ


あの日、君と Girls (あの日、君と)あの日、君と Girls (あの日、君と)
7人の作家による、7本の短編集。各作品とも、約20-50頁で、主に10代(だった)の少女を主人公として、少女・少年の心情を軽快に描く。加藤千恵「haircut17」が最も好印象。17歳の少女の抱く、子供でないけど大人になりきれない中途半端な心情を丁寧に&繊細に描く。自分でもうまく表現できない焦燥感・寂寥感・苛立ち・嫉妬、理想と現実のギャップなど、「わかる!」と思わず共感した。各作家の作風・筆致を十分に感じられる(ex.道尾作品のミステリアスな雰囲気)ので、各作家と自分の相性を知れる1冊。
読了日:07月25日 著者:


レインツリーの国 (新潮文庫)レインツリーの国 (新潮文庫)
ライトノベルの感想を綴ったブログ「レインツリーの国」で知り合った、ひとみ(中途失聴者)と伸(健聴者)の純愛物語。お互いの抱える苦しみを全て理解しきれないことを前提に、相互理解を深めようと努力する。将来像や打算なしに恋愛できなくなる20代後半の男女が純粋に惹かれ合う描写に、心から感動した。本書は2人の男女が展開する恋愛小説で、聴覚障害者と社会の関係に一石を投じる目的の小説でない(あとがき)。上記関係をどう考えるかは読者に委ねられる。「耳が不自由な分だけ、言葉をとても大事にしている」(184頁)が印象的。
読了日:07月24日 著者:有川 浩


新潮文庫の100冊 2012
書店で実物のブックカバーを見たら、全種類欲しくなった! 1種類でも多くもらえるように、読了あるのみ!
読了日:07月21日 著者:新潮文庫


ナツイチ WONDER LAND GUIDE BOOK 2012
セレクトの参考に。「はち」かわいいね(*^_^*)
読了日:07月21日 著者:集英社文庫


向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
同級生S君の死の謎を解き明かす、ミステリー作品。生まれ変わりというフィクションを挟みつつ、謎解きが進むにつれて、現実の事象と空想の世界の境界をだんだん曖昧に。生まれ変わったS君を指で潰したり、潰したS君をミカに食べさせたり、死体の足を折ったり、背筋がゾッとさせられてばかり。全て伏線を回収し終えて冒頭の2頁を読むと、なるほど。4歳になってミカが死ぬと設定することで、読者なりに行間を埋めさせる。好みの分かれる作品だが、僕は好き。夏休みを描く情景描写も読み応えがあって、中学生の読書感想文にオススメ。
読了日:07月21日 著者:道尾 秀介


鉄道ジャーナル 2012年 02月号 [雑誌]鉄道ジャーナル 2012年 02月号 [雑誌]
特集は東京縦貫。東北縦貫線(東京-上野)建設工事の概要・進捗状況、都心を縦貫する副都心線京浜東北線、結節点としての北千住駅など。首都圏鉄道網を展望する記事(80-84頁)では、蒲蒲連絡線による副都心線と羽田空港の直通運転、西武・東武・副都心線・東横線・相鉄直通運転、相鉄・JR直通運転での品川駅東海道線臨時ホーム活用などを挙げる。北海道新幹線の記事(110-111頁)では、並行在来線分離問題の難しさを再認識。高岡・富山のLRTを扱う記事(131-133頁)では、地方都市における鉄道活用策を探る。
読了日:07月20日 著者:


鉄道ジャーナル 2012年 08月号 [雑誌]鉄道ジャーナル 2012年 08月号 [雑誌]
特集は札幌の近郊型電車。6月に電化された学園都市線・札幌駅や近郊型電車(721系・733系・735系など)の現状・札幌近郊各駅を巡る記事など。統一感なく細々とした投資を続ける姿勢に、JR北海道の財務基盤と経営戦略の弱さを感じる。札幌都市圏交通の現状・将来像を扱う記事(吉見宏・北大教授の執筆)、市営地下鉄の課題・交通機関空白地帯の現状などを具体的に指摘する点は良いが、札幌に「高い潜在的可能性がある」の根拠が薄く残念。のと鉄道能登線廃線跡の現状・松浦鉄道の展望を扱った記事に、地方鉄道の今後を考えさせられる。
読了日:07月17日 著者:


瑠璃でもなく、玻璃でもなく (集英社文庫)瑠璃でもなく、玻璃でもなく (集英社文庫)
不倫から略奪婚する美月、略奪婚され起業家となる英利子。2人を対比させながら、物語は進む。結婚=幸福、離婚=不幸、と単純に描かない。結婚はゴールでなく出発点(通過点)にすぎない、と筆者は主張したいんだと思う。「恋愛は不安との戦いであり、結婚は不満との戦いである」(6頁)。多くの既婚者がうなずきたくなる金言に、思わず納得の1冊。
読了日:07月16日 著者:唯川 恵


綾瀬はるかフォトブック HARUKA綾瀬はるかフォトブック HARUKA
現在最も美しい20代女優、綾瀬はるかの写真&エッセイ集。写真はイタリアで撮影されたものばかり。肌のきれいさ・きめ細かさに、思わずうっとり。17・28・35・50・58・111・142頁のショットが魅力的。エッセイを読む限り、人柄の良さが伝わってくる。柴咲コウのようにあごが小さければ、歴史に残る絶世の美女。
読了日:07月16日 著者:綾瀬 はるか


彼女の嫌いな彼女 (集英社文庫)彼女の嫌いな彼女 (集英社文庫)
かつて幻冬舎文庫で読んだ。集英社文庫の期間限定スペシャルカバーで再読。35歳の瑞子と23歳の千絵。同僚の2人を対比させながら、中途入社したイケメン冴木をめぐって、物語は進む。90年代の雰囲気を感じさせる記述が時代性を感じさせつつ、今となっては魅力的に感じる。他人の視線に無駄なエネルギーを割きすぎる不毛さを表現した、タイトルが秀逸!
読了日:07月15日 著者:唯川 恵


Sports Graphic Number PLUS EURO2012総集編Sports Graphic Number PLUS EURO2012総集編
全31試合の詳細データ(出場選手・得点など)、各国チームや選手に焦点を当てた記事、オシム監督の分析などで構成。直接ゴールを狙うFKを不毛だとする、データ分析の記事(74-75頁)が興味深い。「スペインは本当に強かった・・・今のイタリアが到達できないレベル・・・今のスペインは紛れもなく世界最強だ」(ブッフォン・33頁)も印象的。美女でもスペイン(フェリチタ嬢・110頁)は欧州一、笑。ザッケローニ監督による大会分析、ファウル数大幅減に焦点を当てた記事があればよかった。
読了日:07月14日 著者:


100万回の言い訳 (新潮文庫)100万回の言い訳 (新潮文庫)
40前後の夫婦(結婚7年・子なし)、士郎と結子。思いがけずに始まった別居生活から、それぞれに始まった男女関係を中心に、物語が展開する。子供のいない夫婦の直面する不満も刺激もない生活を、軽快な筆致で、テンポ良く描く。恋愛と結婚の違い、結婚の意味、子供のいない夫婦が生活をともにする意義を問いかける。子供のいない夫婦、将来的に結婚を考えている人に読んでほしい1冊。
読了日:07月11日 著者:唯川 恵


JR時刻表 2012年 03月号 [雑誌]JR時刻表 2012年 03月号 [雑誌]
7月号を購入したので登録。JR各社一斉ダイヤ改正・春の臨時列車を収録。富士山とN700系の表紙が素晴らしい!付録はなし。主要な改正点として、東海道・山陽新幹線300系引退、「日本海」「きたぐに」廃止、「のぞみ」全定期列車N700系統一、「みずほ」「さくら」大幅増(に伴い山陽新幹線「ひかり」の大幅減)、「くろしお」287系投入、「スーパーひたち」「フレッシュひたち」E657系投入、東北新幹線E5系追加投入、「つばさ」併結の「やまびこ」E2系投入。
読了日:07月10日 著者:


Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2012年 7/19号 [雑誌]Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2012年 7/19号 [雑誌]
スペイン連覇で幕を閉じた、EURO2012の速報版。各国選手にスポットをあてた記事に、宮本恒靖(元・神戸)・佐藤寿人(広島)・中村憲剛(川崎)による分析も。五輪直前期だけに、北島康介(水泳)・竹下佳江(バレー)など、五輪出場選手に関する記事もいくつかある。ピルロの涙する姿の写真にしびれた~。
読了日:07月08日 著者:


東電国有化の罠 (ちくま新書)東電国有化の罠 (ちくま新書)
取材・記者会見・会議録などをもとに、官邸・財務省・経産省・金融庁が各自の正義を追求した結果、合成の誤謬が生じ、東電国有化というスキームが形成されたとする。除染・廃炉費用の膨脹がもたらす際限のない国民負担、原子力損害賠償法の欠陥、官邸における政策決定過程の拙さ、リーク報道の問題点も指摘する。東電・原子力政策叩きに終始せず、資本主義を逸脱する政策への疑念、すでに3兆円を超えた国民負担の予想される最終形を描く点で、評価できる。ただし、事実と評価の混在した文章が多く、事実摘示の甘さもあって、全体的に読み辛い。
読了日:07月07日 著者:町田 徹


陽だまりの彼女 (新潮文庫)陽だまりの彼女 (新潮文庫)
一気に読了。10年ぶりに再会した同級生が夫婦になるというストーリーを、単なるベタベタの恋愛小説と思って読み進めていくと・・・後半は予想し得ない劇的展開に!ファンタジー色を持ちつつ、それだけに頼らない筆致に感動した。他人を愛することで生まれる優しさ、他人から愛されることで感じる幸福感、お互いを通して成長していく歩み。軽やかで爽やかな空気感の伝わる文体も、装丁の愛らしさも魅力。子供のいない若い夫婦に、ぜひ読んで欲しい1冊。
読了日:07月05日 著者:越谷 オサム

2012年7月の読書メーターまとめ詳細
読書メーター

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